2013年08月01日
「モリ供養」とは
昨日は、お盆について話をしました。(詳しくはこちら)
庄内では、お盆と同じくらい夏に大事なご供養「モリ供養」があります。
今では知る人が少ない「モリ供養」ですが、
2000年12月に「国の無形の民俗文化財」に指定された、庄内地方に伝わる送り盆の独特の 風習です。
まず詳しく話を始める前に・・・
皆さんは、亡くなった方の「お骨」を、骨壺とは別に「歯骨箱」が用意され、他の骨とは別に歯を分けて入れられているのを見たことはありますか?
見たことがある方は→庄内の方、もしく庄内のお葬式に参列されたことがある方だと思います。
通常、お骨は全て「骨壺」に入れます。
「歯骨箱」として分けるのは庄内だけのようです!!(庄内人にしたらびっくりですよね)
その歯骨を分ける理由と、「モリ供養」には深い関係があります。
さて「モリ供養」についてお話したいと思います
庄内地方では・・
お盆でこの世に送られた御霊やまだ浄化できない霊は、「モリ」といわれる里山に一定期間とどまり、そこで供養されると、後に月山など更に高い山々に行き、やがては天へ昇るといわれております。
その信仰にて庄内では、歯骨を墓に納めず、「モリ」の里山へ「分骨」して「追善供養」を行うことで、亡くなった方が少しでも極楽へ行けるようにと願う供養のことをいいます。
モリと言われる山、それはすなわち「東の森」と「西の森」のことをさしていました。
「お盆」が終わった数日後の8月21日頃から、人びとが「モリ」に花や供物などを持って訪れ、ご自身の有縁だけでなく、無縁の死者の供養をも共に行うことを「モリ供養」「モリ詣り」といいます。
「モリ供養」は、「歯骨箱」を持つ新盆(にいぼん:四十九日を過ぎて最初の盆)の方や新仏を納めようとする方のみ行うものではなく、
私達子孫が「モリ詣り」を毎年することで、先祖や亡くなった人達の徳をその都度積むこととなり、あの世で更に良いところに行けるために行う古来からの習俗です。
ちなみにモリ供養の「モリ」とは、「森」や「亡利」「亡霊」などの諸説があり、地域によってその表記は異なっている為、「モリ」と書かれることが多いです。
(ちなみに白狐山では「森供養」と書いております)
現在、庄内地方各地でモリ供養は行われているようですが、
古来からの形態で行われている「モリ供養」は
鶴岡市の清水の森や庄内町三ヶ沢の森であり
鶴岡市清水の三森山を「西の森」
庄内町三ケ沢白狐山の森の山を「東の森」
と言われています。
(ちなみに、白狐山東の森の「モリ供養」は約1000年以上の歴史をもっています西の森もそれほどの歴史があると思われます)
「モリ供養」のお参りの仕方についても書きたいところですが、それを全て本日まとめて書くには少し厳しいので明日また書きたいと思います。
庄内の方は、是非「無形文化財」に指定されるまでの独特の習俗「モリ供養」について知ってていただきたいなと思いました
本日も皆様にとって素敵な一日でありますように